ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2003年3月21日(金)

あと2ヶ月経つと、ハナちゃんの命日がやってくる。それほど、あの日から遠ざかってしまった。夏も、秋も、冬も去り、春の陽射しが今日も輝いていた。そして、夏の匂いがそこかしこに感じられるようになると、あの日がやってくる。

しかし、春の訪れを楽しむ一方で、戦争の悲劇が繰り返されている。ハナちゃんが無関心を装っていた、ニューヨーク貿易センタービル倒壊の映像。あの事件になど同情する必要は無かった。アメリカ人は、自国領土で国民が外敵に殺されることに慣れていなかったので、驚いただけに過ぎない。アメリカ人の上に立つ国家は、他国領土で他国民を数え切れないほど殺してきた。

自分たちの「本土」は安全だとたかをくくっていたら、裏をかかれた。その不安を利用して、気に食わない国に先制攻撃をかけ侵略する。不思議なことに、大量破壊兵器を隠し持ち世界に脅威を与えているはずの国が、アメリカのハイテク軍事力にはひとたまりも無いと、開戦後のニュース は解説している。おやおや、イラクは「脅威」ではなかったのか。そして同じニュースの映像が、アメリカの強大な軍事力を見せびらかす。星条旗の下に行軍する戦車、艦隊、航空機。花火のように打ち込まれるミサイル。こういったものを、大量破壊兵器というのではないだろうか。それらを、国際社会の枠組みさえ無視して振り回すアメリカ国家こそ、世界でもっとも危険な脅威だ。

ハナちゃんのことを思い返す、大事な「21日」を軍靴で踏みつけにするアメリカ。やはり故人となってしまったジョー・ストラマーのように、「I am so bored with the U.S.A.」と叫ぼうか? 現実は、それだけでは済まされない。僕の思い出の邪魔をされるだけでなく、バクダッドや他の町で、人が、たぶん猫も、巻き込まれて殺されていく。

アメリカ人が信じる「神」が実在するのなら、神は僕からハナちゃんを取り上げるのではなく、アメリカ国家から軍隊を取り上げるべきだったのだ。そうならないということは、神はよほど不公平な存在か、所詮自己中心主義者の空想に過ぎないことを、ものの見事に証明している。

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