ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2003年5月21日(水)

ハナちゃんが死んでから、遂に1年が過ぎた。今日は、ハナちゃんの一周忌。朝早く起き、北浦和駅周辺に出かけたことを除いては、思ったよりもふつうの、いつもどおりの一日だった。

ハナちゃんの事故現場と、何よりもハナちゃんと出会い暮らした場所。そうした想い出の地を巡ってみた。実は、5月に入ってから何度か訪れている。今日が特別の日であることは確かだが、どんなときでも特別の場所であることは間違いない。見慣れた風景が広がってはいるが、その意味するものは、僕以外の誰にも分ることはないだろう。

人間には無理であっても、猫という動物には何かが知覚できるのかもしれない。ハナちゃんの事故現場のすぐ近くで、今日、久しぶりに力太郎に会った。かつて、ハナちゃんを家に連れて来てくれた、あの猫だ。引っ越して以来、一度もその姿を見ることができなかったのに、今日という日に限って、想い出の地をうろちょろしている。ハナちゃんと暮らした家の前でも、地面で転がっていた。相変わらず見かけは薄汚いが、元気なようだった。

そして、北浦和駅界隈全体でのことだが、見知らぬ猫が、今日はたくさんいた。ハナちゃんとはちょっと違うけれど、白黒模様の猫もいた。雨上がりの天気に誘われて、猫たちも顔を出したのかもしれない。そんな、常識的な解釈はどこかに置いておき、ハナちゃんの追悼のために猫たちも集まってくれたのだと、そんな夢を見ておこう。

まだ僅かな時間の経過でしかないのに、既に北浦和の景色にも変化が現れている。やたらと、ラーメン屋が増えた。想い出の場所も、マンション建設かなにかで一気に変貌してしまうかもしれない。公的な地名も、浦和市常盤から「浦和区常盤」へ勝手に変えられてしまった。

形あるものは、すべて変化し、消え去っていく。だからこそ、想い出の中だけに生きているハナちゃんは、半永久的な存在に生まれ変わった。それゆえハナちゃんは、僕の傍らで生きている。

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