ハナちゃんの足跡

~最愛の友だちを記念して~


さようなら、ハナちゃん ハナちゃんの在りし日の姿 小太郎と小次郎 過去の日誌
ハナちゃん 小太郎 小次郎

2004年7月21日(木)

猛暑という言葉どおりの気候が続いている。さすがに、40度近い気温にはうんざりだが、冷房無し、扇風機のみの生活をしているので、それなりに暑さには慣れてきた。32度ぐらいならそれなりに過ごせるし、28度ぐらいまで下がれば、快適に感じられる。毛皮を着込んでいる小太郎はどうなのだろう。夏になってからは、僕のベットにもぐりこむことはしなくなった。ささやかな涼を求め、玄関の敷石の上で寝ていることが多い。小太郎には、あと1ヶ月ぐらいの辛抱だろう。

暑さに慣れると、反対に、冷房に弱くなる。先週は、木曜までしか講義の仕事が無かった。金曜から月曜まで、扇風機にあたって暮らしていた。火曜日に学校へ行くと、午前中は授業が無かった、生徒たちは、就職に関する講話を聴いている。その間、十分に冷却された部屋で、資料を作成していた。午後、黒板の前に立って話そうとすると、何もしていないのに声が枯れていた。帰りの電車の中では、足腰に力が入らなかった。

どうも、慣れない冷房に長時間さらされたおかげで、体調がやや傾いたようだ。もちろん、一晩暑さの中で寝たら完治したが。人間の体も、それなりに微妙なつくりのようだ。では、猫たちは、どうなのだろう? 本来、砂漠の気候で育った種族だから、酷暑にも、そして夜の寒さへの突然の変化にも、対応できていたに違いない。しかし、それから数千年経過し、しかも日本の気候に適応して、彼らはどう感じているのだろう?

真夏の頃、ハナちゃんはどうしていただろうか。やはり、いつもどおり外へ出かけ、あとは家でごろごろしていた。当時はエアコン付きの部屋に住んでいたが、人工的な涼しさが好きでも嫌いでもなかったようだ。マイペースで外を歩き、どこかでノミを拾ってきたりする。夏は、散歩後のノミ取りのほうに気を遣っていた。外を出歩くハナちゃんは、小太郎と違って、太りすぎることも無かった。怪我も絶えなかったけれど。夏の昼下がりや夜中は、足を伸ばして寝ていたと思う。とぐろを巻いて寝るのは、冬の光景だ。

今日は21日。午前中、都内に納品で出かけたので、帰りに北浦和に立ち寄った。買い物も、周辺のよく通ったスーパーで済ませた。以前と違い、線路を越えるのに新しい地下道を通るようになった。そこには、鉄道を跨ぐ高い歩道橋があり、北浦和の町並みをよく眺めたものだ。二度と、あの光景を、あの場所で見ることはできない。いつかはすべてが変わってしまうのだろうが、今日は、今の部屋の片隅に、何度かハナちゃんの姿を思い浮かべてみた。この暑さでは、ハナちゃんも玄関へ逃げてしまうだろうか。

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